複合災害と避難

今月1日、防災学術連携体が「緊急メッセージ」を発表しました。
「感染症と自然災害の複合災害に備えて下さい」と題されたものです。(※1)

 

NHKも「新型コロナウイルス~避難所の感染対策を急げ」という記事を4月に掲載しています。(※2)

 

新型コロナウイルスの感染が広がる今、別の自然災害等に伴う避難を懸念する声が増しています。

 

こうした「複合災害」への対策は、党でも国会でも早くから検討されてきました。
しかしこの問題特有の難しさがあり、議論が煮詰まる所にまで至っていません。

 

感染症対策としての「3密を避ける」と「集団避難」は、相反するものです。
そこで、議論の中では、3密を避けるための「分散避難」も提唱されています。
たとえば、小中学校の体育館1ヶ所に集めるのではなく教室に分散したり、避難所そのものを新たに設定する。
自宅、知人や親せきの家、車なども、安全を確認した上での選択肢とする。
などです。

 

CeMI環境・防災研究所による「災害時の避難における新型コロナ感染症対策等に関する国民の意識や行動調査 集計結果(速報)」というアンケート結果が公表されています。(※3)
これによれば、感染を避けるため「マイカー等を使って車中泊避難をする」と答えた人が38%もおられます。

 

エコノミークラス症候群に充分注意すれば車中泊も1つの選択肢となりますが、津波被害が想定される場合は、車での避難は勧められません。
また、洪水の場合でも、道路が冠水した後の避難は勧められません。
選択肢が増えることは、裏を返せば、住民の判断に委ねられる割合が大きくなることを意味します。

 

地域や地形の違い、避難所の特徴、災害の種類などによって、実に多くの避難方法が想定されます。
一律、一様に伝えることがほぼ不可能な中、どのように複合災害への備えを国民に訴えていくか。自治体と連携していくか。

医療チームやボランティアなどをどうするか。
広い駐車場を持つ道の駅の活用や、簡易トイレの確保・衛生管理をどうするか。
断水した場合の手洗い・消毒をどうするか。

 

「複合災害と避難」は今、最も重要な課題ととらえ、具体的に考え、そして行動してまいります。

 

参考サイト:
※1
https://janet-dr.com/070_seimei/071_seimei200501.html
※2
http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/100/427657.html
※3
http://www.npo-cemi.com/labo/works/202004_covid-19.pdf

 

●「災害時における避難所での感染症対策」厚労省
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_00346.html
●「エコノミークラス症候群の予防のために」厚労省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000170807.html
●コロナ禍中の災害対応 集団避難の見直しが必要(熊本日日新聞)
https://kumanichi.com/column/syasetsu/1444792/

 

 

  • ツイートする
  • facebookでシェアする
  • Hatenaでブックマークする
  • LINEで送る