アンチ・ドーピングとスポーツファーマシスト認定制度

「ドーピングとは、禁止物質や禁止方法によって競技能力を高めたり、それらの使用を隠したりする行為のことを言います。フェアプレイに反する行為であり、かつ、競技者の健康を害する2つの側面から禁止されています。ドーピングが蔓延することはスポーツで大切にされてきた価値が犯されていくことに繋がります。
アンチ・ドーピングによって、アスリートの健康を守り、スポーツの世界からドーピングを撲滅することが求められています。
日本薬剤師会も日本アンチ・ドーピング機構が創設したスポーツファーマシスト制度に全面的に協力しています。・・・」

 

上記内容は昨年、2月18日テレビ熊本、「くらしの窓」という番組の中で私が述べさせて頂いた“ドーピング”に関する原稿です。
熊本城マラソンの前にスポーツと薬について熊本県薬剤師会にお話を頂きましたので薬剤師会枠で出演させて頂きました。

 

1月9日の午後、オリンピックに関連してこの原稿を広げていたところ、驚くべきニュースが飛び込んできました。
東京オリンピックの代表入りを目指すカヌー選手が、ライバル選手の飲み物に禁止薬物を入れたという内容です。
これはまさに「スポーツで大切にされてきた価値」そのものを否定するものでしたので、本当に驚くと同時に、その卑劣さに怒りと悲しみを覚えました。

 

スポーツを愛する人々のために、薬に関する地道な健康教育、普及、啓発活動を更に広げていくことが大切だと思いましたが、これは薬教育以前の倫理教育であるようにも思いました。

 

スポーツは、人生の縮図の様に思えます。
絶え間ない努力、勝ち負けの厳しさとそれを越えた友情、しかし、孤独を味わうこともあるでしょう。
「心・技・体」から健全なる身体と精神、そして、人として生きる倫理が学べると思っています。

 

【参考】スポーツファーマシスト認定制度
https://www.sp.playtruejapan.org/

 

  • ツイートする
  • facebookでシェアする
  • Hatenaでブックマークする
  • LINEで送る