水産用医薬品と法(本田あきこ メールマガジン 2018年5月号)

私の故郷、熊本の海は豊穣であるため海産物が有名です。
特産品の多くは養殖に頼っており、海産物も時に病気になるため薬で治療することがあります。

 

養殖業者に対しては、農林水産省から「水産用医薬品の使用について」という通達が出されており、使用される医薬品は抗生物質等多岐にわたります。

 

熊本の県魚である“くるまえび”は、稚魚を輸入して養殖を行っておりますが、ベトナムから輸入した稚魚がウイルスに感染していたため、瞬く間にウイルスが蔓延し、養殖の“くるまえび”が死滅してしまいました。

 

その後、平成11年に「持続的養殖生産確保法」が制定されました。
この法律は、養殖水産物の伝染性疾患の蔓延防止策等の措置を講じ、水産物の安定供給を図ることなどを目的としています。
国会という立法府の役目が果たされたのです。

 

さらにその後、トラフグ養殖業者が、フグに付着する寄生虫駆除を目的に、ホルマリンを原液のまま投入していたため、養殖の真珠貝が死滅し、100億円を超える大きな被害が発生しました。

 

平成15年当時、参議院議員であった私の父、本田良一は農林水産委員会で水産用医薬品について質問を行いました。
秘書を務めていた私は、養殖魚に使われる水産用医薬品が数千種類にも及ぶこと、そして使用が無防備であることに驚きました。

 

父の努力は、立法には至りませんでしたが、養殖漁場での医薬品使用による二次被害防止とトラフグ養殖業者に対するホルマリン使用の禁止という結果を生みました。

 

法制定から18年以上が経ちますが、現在の海はどうなっているのだろうと思うことが多くなりました。

 

水産用医薬品についても適正使用の必要性を感じている今日この頃です。

  • ツイートする
  • facebookでシェアする
  • Hatenaでブックマークする
  • LINEで送る