学校薬剤師をご存知ですか?(本田あきこ メールマガジン 2018年4月号)
新学期が始まり、桜の花が舞う中、小学校、中学校、高等学校に入学した新入生のさわやかな姿がまぶしく目に映ります。
さて、小学校等では定期的に児童や生徒の健康診断や予防接種を行うため、白衣を着たお医者さん(学校医)が学校に来られることはご存知だと思いますが、学校薬剤師という役割を持った薬剤師が学校に来ていることをご存知でしょうか。
学校保健安全法(以下、法律という。)において、大学以外の学校には学校薬剤師を置くことが義務付けられています。
ここでいう学校とは、幼稚園、認定こども園、小学校、中学校、高等学校等が含まれます。
学校に薬剤師が必要とされた背景として、1930年に北海道の小学校で体調の悪い女子児童にアスピリンを服用させるつもりが誤って塩化第二水銀(毒薬)を服用させてしまい、亡くなったという事故が発生したことが挙げられるとのことです。
学校薬剤師の業務は、学校にある薬品類の安全な管理のほか、教室内の換気、ダニ、ホルムアルデヒド、採光、照明、飲料水やプールの水質等、学校の環境衛生管理のための検査の実施等ですので、学校医のように直接児童、生徒に触れる業務ではありません。
学校薬剤師は、児童、生徒が安心して勉学に励むことができるよう、適切な環境の確保のために働いています。
現在は、法改正等により、健康相談、保健指導の実施、医薬品の適正使用や逆に薬物乱用防止等について教師とチームを組んで授業に参加する場面も増えているとのことです。
「薬剤師という職業は多様性に富んでいる」と薬剤師議員の藤井基之先生はおっしゃっておられます。
私も正にそうだと思います。
薬剤師の役割が十分に発揮され、国民の皆様が生活の中で薬剤師の仕事を実感していただけるような環境づくりを目指して頑張ろうと思います。