災害時健康危機管理支援チーム(DHEAT)と薬剤師

3月21日の日本経済新聞に「災害時健康危機管理支援チーム(DHEAT)の運用について掲載されていました。
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO28369000Q8A320C1CR8000/

 

厚生労働省が大規模災害時、被災地に派遣する「災害時健康危機管理支援チーム(DHEAT)」の運用を開始するという内容です。

DHEATは、被災地の保健所や行政機関の関連部署と位置付けられ、ボランティアや支援物資の受け入れの調整を行い、感染症の拡大防止に努めるとのこと。
※DHEATとは?(厚労省)
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000131931.pdf

 

私は平成28年4月、熊本県薬剤師会職員として、熊本地震の災害支援を経験しました。その際、感染症の拡大防止と集団生活の衛生管理はとても大切なことを痛感しました。
熊本地震では、派遣薬剤師も公衆衛生の管理面に深く関わりました。

 

その為、DHEATの運用はとても素晴らしいと思いました。
しかしながら、記事には、「DHEATは医師や、保健師、管理栄養士らで構成」
とだけしか書かれていません。

 

私は「大切な役割を担うDHEATの一員に薬剤師は入っていないのか?」と気になりました。

 

詳細を調べたところ、
災害時健康危機管理支援チームでは4番目の構成員として、
「薬剤師、獣医師、管理栄養士、精神保健福祉士や臨床心理技術者等を含めて適宜構成」
と記載されていました。
適宜構成という表現が残念でした。

 

薬剤師は地域に医療の要となる薬を供給し、薬事行政と公衆衛生に深く関わる責任を持っています。が、衛生管理と言えば、一般的には、医師や、保健師、管理栄養士と思われているのでしょうか?

 

災害時、お薬手帳と、薬剤師の聞き取りが大きく医師の処方に役立ちました。
そして、災害時の医療支援活動の中で、薬の供給を担う薬剤師の役割はとても大切であったにもかかわらず、“適宜構成”という表現に留まっていることは残念です。

 

ふとした時に記載される中に「薬剤師」という言葉をどれだけ盛り込むことができるか、そして、記載してもらえるか。

そのために何をすべきか。

国民の皆さんに評価していただけるよう責任をもって業務につとめ、主張も続けていきたいと思います。

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