東京オリンピック・パラリンピック開幕:本田あきこ メールマガジン 2021年7月号
本田あきこメールマガジンは原則的に毎月第3水曜日に配信していますが、不思議なほどに節目の日に重なります。
前回は国会閉会当日、そして今回は東京オリンピック競技開始日(開会式前)の配信となりました。
(パラリンピックは8月24日開催)。
オリンピック・パラリンピックにおいて、私たち薬剤師が関わるのは、
1)選手をはじめとする大会関係者の健康管理
2)アンチ・ドーピング
3)マスギャザリング
となります。
コロナ禍前のメールマガジン2020年1月号では1)2)について触れました。
3)のマスギャザリングは「一定期間、限定された地域において、同一目的で集合した多人数の集団」を意味します。
東京オリンピック・パラリンピックでは、ほとんどの会場は無観客とされています(7月21日現在)。
また海外からの訪日者数は、
●選手:オリンピック11,000人、パラリンピック4,000人
●大会関係者:53,000人
●メディア関係者:16,000人
と報じられています(7月17日NHK、など)。
マスギャザリングについては、オリ・パラの東京開催が決定して以降、研修会や講習会等が繰り返し開催され、議論されてきました。
その中でコロナ禍前から大きなテーマとなっていたのは熱中症対策です。
無観客の競技会場はマスギャザリングと言えないかもしれませんが、選手や関係者への熱中症対策は新型コロナ対策と同等に重要です。
医薬品のみならず、熱中症予防の品目は様々あり、当然のことながら薬剤師は熟知しています。
選手村や競技場に入る薬剤師の皆さんには、関係者の健康管理、熱中症予防にも大いに力を発揮していただきたいと願っています。
私たちは100年に1度の疫病災害に見舞われつつ、約60年ぶりにスポーツの祭典を自国開催しようとしているのですから、多様な意見が出るのは当然です。
ハンドルさばきも、アクセルとブレーキの操作も、大変難しい局面がまだしばらく続きます。
前に進む中で、何かあれば柔軟に迅速に的確に対応する。
そのためにマスギャザリングにおける疾病対策は、あらゆる場面が想定され議論されてきました。
オリンピック閉会式は8月8日、パラリンピック閉会式は9月5日。
選手たちの活躍と同時に健康管理、感染防止など、あらゆる意味で祈るような日々が続きます。
参考
コロナ対策、暑さ・天候対策に関する記者ブリーフィング(TOKYO2020)
https://olympics.com/tokyo-2020/ja/news/news-20210718-03-ja